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絆ホルモンの活用

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「オキシトシン」をご存知でしょうか。
オキシトシンは脳下垂体後葉から血液中に分泌されるホルモンのことです。絆ホルモン、愛情ホルモンなどと呼ばれ、心を安定させてストレスを和らげる働きがあります。肌が触れ合ったり、優しく声をかけられたり、見つめ合うことで分泌量が増えます。

1. オキシトシンの実験

ウィスコンシン大学マディソン校レスリー・セルツァー博士が行なったオキシトシンに関する実験があります。

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【ウィスコンシン大学マディソン校レスリー・セルツァー博士の実験】
実験では7-12歳の少女61人に対して「ストレスのかかる状況」を作ります。その後、4つのアクションを比較しました。

① 母親と会って、抱きしめてもらう
② 母親とは会わずに、電話で話をする
③ 母親とは会わずに、関係のない映画をみてもらう
④ 母親とは会わずに、インスタントメッセージでやり取りをする

安心を感じると分泌されるオキシトシン(青)、ストレスを感じた時に分泌するコルチゾール(赤)を比較しました。結果は図のようになります。

「① 抱きしめる」「 ② 電話をする」はストレスの軽減を確認できたのに対して「③ 関係のない映画を見る」「④ インスタントメッセージでやり取りをする」はストレスの軽減には繋がりませんでした。レスリー・セルツァー博士は「インスタントメッセージは、直接の会話や電話を補えるものではないと言えます。人間はいまでも進化の過程で得た方法で会話する必要があるのです」と語っています。

2. 報告はLINEではなく電話でする

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不動産業務であれば、こんな場面で応用できるのではないでしょうか。


上司は、部下が「難しい商談をまとめた」「大量のポスティングをしてきた」などの報告を受けるときは直接、あるいは電話で受けてみます。そして、その努力を労ってください。部下はストレスが緩和され、次の仕事に取り掛かりやすくなります。

また、信頼関係のあるお客様と連絡を取るときはできる限り電話をしたほうが繋がりを深めることができます。

最近はエビデンスを残すためにメールやチャットで報告をすることが増えています。そんなときは、チャットなどで報告を受けた後に労いの電話を上司からするのも良いかもしれません。

注意点として、オキシトシンは「信頼できる相手」もしくは「中立的な相手」にはより愛情を深めますが、「嫌いな相手」には敵意を強めます。信頼関係は日々深めておいた上で活用してみてください。

今回は報告を事例にしましたが、オキシトシンは人と人が接するあらゆる場面で働いています。

脳内ホルモンは有史以前から人間に備わっている機能です。かなり強力な作用なので有効に活用したいですね。