Research

​実務研究

Case

不動産の決め方

b527915e3a4e087d421a7d88055e666f_s.jpg

迷いがちな購入希望者さんが「一番良い不動産を買いたいんです!どうやって決めたらいいですか?」と相談してきました。

 

それには《秘書問題の数理モデル》を用いて応えることができそうです。

営業さんは購入希望者さんに手法を教えてあげてください。一緒に進めると購入希望者さんがどの段階にいるのかわかるので接客が楽しくなります。

1. 《秘書問題(最適停止問題)》の考え方

32a12b4b9985276dc851979a270a3929_s.jpg

簡単に表現すると「一番優秀な秘書を最も高い確率で選ぶ数理的手法」です。

もちろん色々な条件がありますが、細かい条件や解説は別の機会にして、今回は「一番良い不動産を最も高い確率で選ぶ」というケースに当てはめて手順を解説します

秘書問題の考え方は「最適な不動産を最も高い確率(約37%)で探す方法」です。最適な不動産が見つかることを約束するものではありませんが、「最適」を見つけるには最も合理的な手法の一つです。

2. 物件を検索して、検索結果の「総数」を覚える

74c706b9c82d53324e08733837931ca5_s.jpg

①スーモなどで物件を検索します。条件を絞り込んで検索してOKです。「エリアが絞れていない場合」などは候補のエリアのすべてを検索しましょう。

​②検索結果の総数を覚えておく。​総数は100件を超えることもあれば10件程度に収まることもあります。

3. 総数の「36.8%」を計算する = 様子見件数を調べる

fdc5e4a912a9832bc8ca021b923dc2e3_s.jpg

総数が100件の場合は

100×36.8%=36.8(≒37件)

総数が50件の場合は

50×36.8%=18.4(≒18件)

​この件数が「様子見する件数」です。この件数に到達するまでは購入せずに「暫定一位物件」を決めます。

4. 点数をつける準備をする

不動産物件を重みつけして評価するシート

様子見物件に点数をつける準備をします。

シートには「物件名」「評価項目」「評価の重み」「評価」「得点」「総合得点」を書き込むことができるようになっています。

 

①「評価項目」を決めます。例を入力していますが任意に決めてOKです。あまり増やしすぎると混乱するので扱いやすさを重視することをお勧めします。

②​「項目の重み」とは各評価項目に対する「自分の好み」のことです。1を全体に振り分けます。例えば、立地が大切!ということならば0.4など(重要度が全体の4割を占めることを意味します)をつけることができます。逆に外観は重要ではない!ならば0.01などにしても良いでしょう。0にしてしまうと評価がなくなってしまうので注意してください。

 

③​あとは物件ごとに評価をしていきます。各項目ごとに100点満評価をしていくと重みがつけられた和が総合評価となります。

※​ダウンロードしてご使用ください。

5. 様子見物件から暫定一位物件を3-5件に絞る

ba711d39c4241ebe55c7ae92ad0d4732_s.jpg

全ての物件にシートを使って評価してもいいですし、使わなくても良いです。

 

シートを使うと新しい発見もあるのでおすすしたいのですが苦手な方もいらっしゃると思います。3-5件程度に絞ってからシートを使ってもOKです。

6. 絞った3-5件を実際に見に行き「暫定一位」を決定する

家の内覧.jpg

①実際に物件を見にいき、ウェブでの評価と照らし合わせます。評価に変動があれば加減してください。

②そして「暫定一位(=総合得点一位)」を決定しましょう。

7. 残りの候補から「真の一位」物件を探す

b527915e3a4e087d421a7d88055e666f_s.jpg

あとは「真の一位」物件を探すだけです!

もう一度ウェブで検索して3-5件程度に絞り、実際に見に行って評価しましょう。

「​暫定一位」の総合得点を超える物件が約36.8%の確率で「真の一位」だと考えられます。

8. 見つからなかったら待ってみる

「秘書問題のモデル」は簡単に実行できる合理的な理論です。かなり良いところまで選別できると思います。ですが、最終的な意思決定の段階では気持ちが最優先だと思います。「総合得点は一位だったけれど、ちょっと違うかな」と感じたらその気持ちに従うこともひとつの意思決定です。

そのときは「暫定一位」の評価を残して新規物件を待ってみてください。新規物件が暫定地位の総合得点を上回ったら再度気持ちとも向き合って検討してみてください。この繰り返しで最も良い物件に出会うことができるはずです。

注意点として「一位を更新」してはいけません。これは青い鳥を追いかける行為なので永遠に真の一位に追いつけなくなってしまいます。更新するならば「評価の重み」を更新してください。これは新たな気づきなのでOKです。これまで低評価だった物件が再評価されることがあります。

ba711d39c4241ebe55c7ae92ad0d4732_s.jpg

まとめ

1. 物件を検索して、検索結果の「総数」を覚える

2. 総数の「36.8%」を計算する = 様子見件数を調べる

3. 点数をつける準備をする

4. 様子見物件から暫定一位物件を3-5件に絞る

5. 絞った3-5件を実際に見に行き「暫定一位」を決定する

6. 残りの候補から「真の一位」物件を探す

7. 見つからなかったら待ってみる

購入営業は、購入希望者の明確な意思表示がないと漫然と案内をするだけになってしまいます。営業の方がチェックリストを持ち歩いて購入希望者の評価をチェックしながら案内すると共通意識を持ちながら購入をサポートできると思います。

購入営業が苦手な方にぜひ活用していただきたいです!