Research
人材研究
管理職の視点
経営者の「架け橋」となる
殆どの人は管理職を初めて経験するため「何をしていいのかわからない!」と戸惑うことが多いようです。それは「会社がどんな管理職になったらよいか?」が明確に伝わっていないことが原因かもしれません。
今回は、会社から管理職に求める「管理職の視点」を紹介したいと思います。
Case
管理職の視点
[Case]
営業職から管理職へ昇格した武田さん。営業時代は年間売上トップを2年連続で獲得。収集な営業マンです。
[課題]
管理職は初めての経験なのでやる気を持ちつつ、若干の不安を感じています。
武田です。管理職に昇進してやる気マンマンなのですが、正直なところ管理職が何をするのか分からないです。先輩がやっていた様に「とにかくチームのノルマを達成」させればいいんでしょうか?
1. 視点の大枠:オペレーショナルマネジメント
「10人以上の経営視点」で紹介した戦略的マネジメントとオペレーショナルマネジメントを紹介させていただきました。管理職は「オペレーショナルマネジメント」の実行が第一の指針です。
オペレーショナルマネジメントは「意思決定の理解」「計画」「実行」そして「結果」の3つを視点とすることができます。管理職はこの3つを常に意識することで経営者からの一般社員までの「架け橋」となることができます。
続いて「意思決定の理解」「計画」「実行」「結果」の詳細を見ていきましょう。
「結果」を出すことだけじゃなく「意思決定の理解」「計画」「実行」も考えなくちゃいけないんですね。営業のころと比べるとやることの幅が広がりそうです。
2. 管理職の視点①《意思決定の理解》
もう一度オペレーショナルマネジメントを見てみましょう。そこには意思決定の外枠が計画に重なっていると思います。これは「経営者の意思決定を理解する」ことを意味しています。
会社組織の中で管理職に求められるのは経営者の下した意思決定を一般社員に実行させる「架け橋」となることです。どれほど有能な社員であろうとも会社の方針を理解できなければ管理者は務まりません。同時に経営者も明確な方針を正確に伝える努力を必要とします。
「意思決定の理解」をうまく進めるためには①経営者からの十分な説明(言葉だけではなく写真や図を使うと効果的です)②管理者からの質問・応答③理解度・納得度の管理を行うと良いでしょう。
はじめは社長の仰っていることが分かりませんでしたが、しっかりと話し合ううちに理解できるようになりました。同時に社長も色々なことを考えて意思決定していることをしりました。
3. 管理職の視点②《計画の策定》
管理者は、経営者の意思決定に伴った「実行計画」を策定します。経営者から意思決定が下された段階である程度の実行内容が決まります。しかし、あえて管理者に計画を策定させます。
その理由としては①意思決定を理解しているかの確認②自ら計画を立てることで計画への愛着が湧き挫折が減る③部下への指示が的確になる、などがあります。指示待ち管理者にならないように「自らが実行の責任者である」ことを強く意識させます。
時間が掛かりますが、必ず「実行計画書」を作成しましょう。
「実行計画書」の策定は大変ですが、作成したおかげで部下への指示に自信を持てるようになりました。
4. 管理者の視点③《計画の実行》
ここからが本番です。計画を実行へ移します。すでに計画が完成しているので、実行へ移すのみです。
実際に実行してみると計画通りにはいかないことが起こります。結果に到達する範囲内で計画書の修正を行うことに問題はありません。あくまでも結果に到達するための修正であることを忘れてはいけません。
また、管理者は経営者へ実行状況の報告を行う必要があります(経営者側からすると状況管理になります)。1週間に1度を目安に実行状況を確認すると良いでしょう。
計画が上手くいっているときの報告は誇らしいです。逆に上手くいっていないときは緊張します。部下が入院してしまったときは計画書の変更を社長と話し合いました。
5. 管理者の視点④《結果の確認》
